2007年 4月22日 火曜日 卒論第一回発表 加藤洋平 

テーマ「M&AにおけるBSCの活用可能性」

 

1 本研究目的

2 まず、BSCとは

3 論文の中でM&Aに関係が深いと思われる内容

4 今後の研究について

 

1 業界再編が激しく、変化の早い今日において、日本企業が競争力を高めるためには、他社から技術を獲得し、時間を買えるという意味を持つM&A戦略が今後も一層重要になるのではないか。そして、そのM&A戦略を成功に導くためのツールとしてBSCの活用性を探っていきたい。

 

2 そもそも、BSCとは?

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@    四つの視点(顧客、内部ビジネス、革新と学習、財務)

伝統的な財務指標は過去に起こったことを報告するのみであり、次にどうすれば業務改善につながるかについては示していない。

それに対して、BSCは現在と将来の成功のために何をするべきか教えてくれる。

A     

ここで、キャプランとノートンはBSCを利用することで、長期的な戦略を短期的な活動とどのように関連付けるのかといった伝統的なマネジメントシステムの課題を解決できると述べている。

 

そして、BSCを戦略に遂行するために以下のような4つのプロセスを提示していた。

さらに、下記の四つのステップが何度も繰り返されながら、当該組織の組織業績に最も効果がある重要指標を見出し、組織のノウハウを蓄積することができると述べられていた。

 

 

 

 

四方向矢印: 理念・戦略

B    戦略マップ

これを用いるメリットT戦略を一枚で俯瞰でき、常に全体を意識して議論できる

          U財務を中心とした短期の目標だけではなく、プロセス改革や人材育成などの中長期的な目標の記述もできる

          V戦略がストーリー化され、各戦略目標の位置づけが明確になり、大事な点の抜け漏れに気づきやすくなる

          W戦略の絞り込みができる と解説していた。

 

3 興味深い事例 米ロックウォーター社(エンジニアリングと建設をビジネスとする)

ロックウォーター社は二つの異なった組織の合併の末に誕生した企業である。BSCを有効に活用することによって、ロックウォーター社は業界のリーダーになるために何に秀でる必要があるのかが明確になり、M&Aが成功した。

→ 統合のために大きな変化が起こるM&Aの実行後の段階においてBSCが有効なマネジメントシステムであることを示唆するのでは?

 

4 今後の課題 ・BSC、戦略マップなどの理解をより深める

        ・M&Aについての理解(M&Aの失敗の原因、どんなSTEPで行われるか)

今回の発表に際して以下の論文を読みました。Harvard  Business Review 1992. 17-3 , 1994 .19-1, 1997.22-2, 2001 .26-2, 2004.29-2   

M&Aを成功に導くBSC活用モデル」の第五章 西山茂 白桃書房